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カラダを動かすエネルギーの作られ方

人間が筋肉を動かすためのエネルギーには、ATPと呼ばれるエネルギー性の化合物が利用されます。ATPはAdenosine Tri-Phosphate(アデノシン3リン酸)の略です。

しかし、筋内に貯蔵されているATPの量はごく限られている為、運動を続けるにはATPの再合成や産生が必要となります。ATPを再合成あるいは産生する経路は大きく3つ存在し、それぞれ「ATP-CP系」、「解糖系(乳酸系)」そして「有酸素系」と呼ばれます。これら3つの経路にはそれぞれ特徴があり、運動時間や強度によって使われ方が変わります。

ATP-CP系

ATP(エネルギー)はごく僅かな量しか筋中に貯蔵されていません。そのため大きな力を生み出すと筋内のATPは瞬く間に涸渇してしまいます。ATP-CP系の持続時間は~8秒程度であると言われています。酸素を必要としない無酸素運動です。100m走などの短距離で使われます。

解糖系(乳酸系)

筋内に貯蔵されている糖質(グリコ―ゲン)、はピルビン酸に分解されます。グリコーゲンがピルビン酸へと分解され、そして乳酸へと還元される一連の反応経路を解糖系と呼び、この時にエネルギーが発生します。この経路によっては、30~60秒程度最大限の筋収縮が可能であると言われています。これも無酸素運動です。400m-800mなどの中距離の運動でよく使われます。

有酸素系

この経路は大変複雑であり、また代謝の過程で酸素を必要とする為に(好気的)、先に挙げた2つのエネルギー供給系と異なり瞬間的なエネルギー供給には不向きです。しかしながらエネルギーの供給量は大きいため、有酸素系のATP産生によって長時間の運動が可能となります。